【JTCのSDGs】
無形商材の専門サービス業のSDGs
皆さまこんにちは、日本翻訳センターのRです。
桃の節句が過ぎ、いよいよ春の温かい日差しを感じる日々になってきましたね。
本日は、久しぶりにSDGsについて、
特に当社のように無形商材を扱う企業は、「節約」「エシカル消費」等というところから離れて、
どのようにSDGsに貢献できるのかについて改めて考えてみたいと思います。
このブログが、企業の皆さま、特に当社のように
情報等の無形商材を取り扱うサービス業の皆さまのヒントとなりましたら幸いです。
【JTCのSDGs】
無形商材の専門サービス業のSDGs
1. SDGsの現在
2. SDGs達成へのCovid19、インフレ、ウクライナ危機の影響
3. 改めて、無形商材を扱う私たちに何ができるか
4. 中小企業がSDGsに取り組む意義やメリットは?
5. 日本翻訳センター2022年の取り組み、関連案件
6. おわりに
1. SDGsの現在
まずは「SDGsの現在」から見ていきましょう。
ご存じの通り、SDGsは2015年の「国連持続可能な開発サミット」において採択され、
2020年1月からはSDGs達成のための「行動の10年(Decade of Action)」がスタートしています。
当社を含め、日本でもそのあたりから、取り組み始めた企業が多いのではないでしょうか。
スタートから今年で3年目になりますが、
現状はどうなのか、国連広報センターのSDGs報告2022を参照してみました。
長引くコロナ禍、ウクライナ危機、世界的なインフレ…予想していたとはいえ、かなり衝撃的な内容です。
見やすく図解されていますので、ぜひリンク先をご覧になってください。
さて、日本のSDGsの進捗はどうでしょうか。
2022年のSDGs達成度スコアランキングで、日本は163ヶ国中19位でした。
2016年以降上がったり下がったりしつつも10位以内に入ることはなく、
2022年は最も低い19位となりました。
ポイントをまとめると…
・教育や社会・産業的な目標、また安全な水や下水道へのアクセスなどインフラ関連の目標は安定的に達成されている
・ジェンダー平等、不公平を無くすといった近年になって日本の問題として見えてきた社会的な問題は進捗が遅れている
・環境面ではつくる責任・つかう責任、気候変動への対策、海や陸地の豊かさを守る項目の進捗度が低い
・飢餓問題への取り組みやエネルギー、そしてパートナーシップの目標は、進捗度こそ低いものの、ペースを上げていくことで達成することが期待できる
進捗が遅れている目標への取り組みには、
地域の、国の、世界の問題を「自分ごととして考える」メンタリティの変化が必要な気がします。
2. SDGs達成へのCovid19、インフレ、ウクライナ危機の影響
国連広報センターのSDGs報告2022によると、
Covid19、インフレ、ウクライナ危機という2020~2022年に発生した世界を巻き込む問題は、
SDGs達成に多大な影響があったそうです。
濃淡はありますが、これら3つの要因は主に以下のように、目標達成を大きく遅らせてきました。
・貧困対策(4年分の取り組みが帳消しに)、低収入労働者割合の上昇
・災害関連死の増加
・食糧安全保障の弱体化(気候変動や不平等の拡大も原因)
・教育の不平等の悪化
・国家間の所得不平等の拡大
・エネルギー関連のCO2(二酸化炭素)排出量6%増加(過去最高水準)
・世界の気温上昇がさらなる異常気象を招いている
・生物多様性保全への取り組みがなおざりに
CO2排出量6%増加(過去最高水準)は、2021年の実績だそうなので、
ウクライナ危機が始まってからの数字は入っていません。
二酸化炭素は戦闘やそれによる破壊だけでなく、
破壊されたインフラや施設の復興や再建でも大量に排出されるということです。
3. 改めて、無形商材を扱う私たちに何ができるか
日本標準産業分類によると、翻訳業は「専門サービス業」とされています。
無形商材である「翻訳」「通訳」を扱う当社のような企業は、
どのようにSDGs達成に貢献できるのでしょうか。
無形商材を扱う企業は、
自社製品の改善により見える形で脱炭素や資源の保護や有効利用などを実践することができません。
改めて17の目標を見てみると、次の2点がポイントになるのではないかと思いました。
① 自社内のSDGsにかかわる課題解決による取り組み
目標3 すべての人に健康と福祉を(健康診断、健康増進、生活習慣改善等)
目標5 ジェンダー平等を実現しよう(性差による業務や待遇の違いのない組織)
目標8 働きがいも経済成長も(働き方改革、生産性向上、心理的安全性)
目標7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに(グリーン購入、省エネ/再生エネを使用したプロダクトの使用)
目標11 住み続けられるまちづくりを(地域への貢献)
目標12 つくる責任、つかう責任(エシカル消費、省エネ/再生エネを使用したプロダクト)
② SDGsに取り組む企業様へのサービス提供
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
当社では目標11以外の目標についてはできるところから取り組んできています。
当社は2021年に港区へ移転しましたが、残念ながらまだ地域との結びつきはありません。
目標17については、SDGs関連の案件を受注することで貢献しているということになります。
SDGsに取り組んでいらっしゃる企業様へのサービスとして、
いただく料金の一部をSDGs関連の活動に寄付するなども良いかもしれません。
また、逆に企業を選定する際の参考にもできますね。
4. 中小企業がSDGsに取り組む意義やメリットは?
中小企業が取り組む意義やメリットはたくさんあると思います。
例えば…
・働き方改革をはじめとする労務的な課題への対応
・自社の差別化、企業イメージの向上
・SDGs関連のマーケットを開拓する、新規事業につなげる
・経営や業務の改善、変革につなげる
・SDGsに全社的に取り組むことによる会社への帰属意識や社会貢献する意識の醸成
また、この「全社的」ということも重要です。
長い目で会社のビジョンを持ち、そこへ向かうにはどうしたら良いかを全社的に考え、
最終的に日々の業務に落とし込み、それが実っていくのが理想ではないでしょうか。
その理想に近づくツールの一つと考えれば、メリットは計り知れないとも思います。
5. 日本翻訳センター2022年の取り組み、関連案件
当社もSDGsにつながるミッションを掲げています。
日本翻訳センターのミッション
コミュニケーションを通じ、多様性の尊重される世界の実現に貢献します。
なかなか壮大ですね!
多様性というのは人種や国籍だけの話ではありません。
同じ日本人の中にも、さまざまなルーツを持つ人がいます。
また、ハンディキャップを持つ人や、さまざまな世代、
ジェンダーの人々がより心地よく、いきいきと暮らせる世界にしたい。
そのために当社ができることは何か…実は明確な答えはまだありません。
でも、「すべては足元から、そして皆でアイデアを出そう」という方針です。
2022年の当社の取り組みを一部ご紹介します。
・電子契約ソフト導入による紙、印紙の削減、セキュリティの向上
・クラウドのファイルストレージサービス導入による紙、通信費の削減、セキュリティの向上
・翻訳事業でのSDGs関連案件例
-キッズ向けSDGs啓発ページの多言語化(マレー語、インドネシア語、ベトナム語、ポルトガル語版翻訳)
-持続可能な取り組みについてのウェブサイトページ(英語訳)
-SDGs経営ガイド(英語訳)
-サステイナビリティを考慮した建設に関するガイドライン(英語訳)
-SDGs達成率に関するデータ(英語訳)
-SDGsと絡めた観光PR資料(英語訳)
-エネルギー関連の調査レポート(英語訳)
6. おわりに
今回のブログでは、2023年初頭から見たSDGsの現在と、
無形商材を扱う企業の取り組みについて書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。
SDGsはただの流行ではありません。
「猫も杓子もSDGsだね」などと冷ややかな言葉も時に耳にしますが、
「猫も杓子も」がまさに大切なポイントなのですよね。
それくらい誰もが取り組まなければ、到底達成はできないことなのです。
2023年の初頭に、
米国の科学誌「Bulletin of the Atomic Scientists」(ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ、原子力科学者会報)が、
世界がどれほど滅亡の危機に近づいているかを「残り時間」で表す「終末時計」(Doomsday Clock)の2023年版を公表しました。
深夜0時を「人類滅亡」と設定し、2023年は残り「90秒」だとされました。
核問題や気候変動の影響を中心に考慮しているそうです。
「人類滅亡」は=「地球滅亡」ではありませんが、多くの動植物が巻き添えになるでしょう。
そんな地球にはしたくないですが、一方であまりに窮屈なのも考えものです。
企業人としても個人としても何ができるか、楽しみながら考えて実行していけると良いですね。
お読みいただきありがとうございました。
・国連広報センターSDGs報告2022
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_report/
・朝日新聞SDGs ACTION!人類滅亡まで「残り90秒」
ロシアのウクライナ侵攻で最短に 米誌が「終末時計」発表
https://www.asahi.com/sdgs/article/14823461
・「“気候変動による戦争”が始まる~“ウクライナ侵攻”を斎藤幸平が斬る~
https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/my-asa/PxhkDCFwRP.html
・『SDGs ―危機の時代の羅針盤―』2020年 南博、稲葉雅紀 岩波新書
・『SDGs見るだけノート』2020年 笹谷秀光監修 宝島社
・『中小企業のためのSDGs活用ガイドブック』2021年 中小機構
https://www.smrj.go.jp/regional_hq/kinki/news/2020/favgos000001dlat-att/a1616374711852.pdf
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