東京で江戸の「ひんやり」はいかが?
~「怪談」で涼む~
皆さまこんにちは。
日本翻訳センターのRです。
昨今の東京や近郊は、
加速する地球温暖化×ヒートアイランド現象で、
凄まじい夏になりそうです…。
日本気象協会によると、
最高気温35℃以上を「猛暑日」、40℃以上を「酷暑日」と
定義しているそうです。
東京では、まだ最高気温40℃の予報は出ていませんが、
樹木のほとんど植えられていないエリアでは、
実際には40℃くらいになっているのではないでしょうか。
そこで本日は、ひんやりと涼しくなりたい皆さまへ、
東京が江戸と呼ばれた時代からずっと続いている、
夏の楽しみ方をご紹介したいと思います。
東京にお住まいの方にも、観光でいらっしゃる方にも
お読みいただけますと幸いです。
東京で江戸の「ひんやり」はいかが? ~「怪談」で涼む~
1. 東京の夏、江戸の夏
2. 江戸時代から今につながっている、夏の楽しみとは
3. 江戸の庶民の娯楽を楽しんでみよう
①浮世絵 展覧会「浮世絵お化け屋敷」@太田記念美術館
②八月納涼歌舞伎@歌舞伎座
③落語@寄席
おわりに
おまけ
1. 東京の夏、江戸の夏
昨今の東京や近郊は、
加速する地球温暖化×ヒートアイランド現象で、
凄まじい夏になりそうですね…。
皆さま、「納涼」という言葉をご存じかと思います。
四方を海に囲まれ湿度の高い日本。
夏に涼しさを取り込んで楽しむことには、
昔から先人たちが苦心してきたようです。
とは言え、昔と今の東京の夏は気温がかなり違います。
暑いと言っても、今から100年前は真夏でも26℃以下の日がほとんどだったようです。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/282145
その一方で、江戸の町は今と違って砂ぼこりが
ひどかったと言われています。
砂ぼこり×湿度。なかなかうっとうしそうですね。
江戸の人たちが朝夕二回は湯屋へ行っていた、というのもうなずけます。
今も人気の夏のイベントには、
江戸時代起源のものや、その頃すでに流行っていたものが多くあります。
花火大会、盆踊り、夏祭りや屋形船遊び、朝顔まつりやほおずき市などなど。
現代のインスタグラムにも、江戸時代の浮世絵にもたくさん出てきますね。
墨田川花火大会公式ウェブサイトより
https://www.sumidagawa-hanabi.com/about/
まだ扇風機もクーラーも無い時代。
日常的には、風鈴を下げて涼やかな音を聞いたり、打ち水をしたり、
またきゅうりやそうめんなど冷たい食材をいただいたり、
五感をフル稼働させて、涼しさを取り込んできたのですね。
2.江戸時代から今につながっている、夏の楽しみとは
そんな江戸時代からつながっている夏を楽しむ工夫の中から、
夏の東京で体験できる、ちょっと江戸っぽい涼のとり方をご提案します。
今回のブログでご紹介するのは、
「怪談」!
怖い話…👻と身構えた方もいらっしゃるでしょうか。
ご安心ください。
「ホラー」ではなくて「怪談」です。
もちろんまったく怖くないわけではありませんが…
ホラー映画のように後で思い出して眠られなくなったりはしません!(たぶん…)
今も昔も「適度な」怪談、お化けの話はお好きな方が多いのではないでしょうか。
ウソだと思っていてもぞわっとしてしまったり、
聞きたくない!と言いながら、
やっぱり聞いてしまったり。
子どもも大人も妙に声をひそめて話してしまいますよね。
3.江戸の庶民の娯楽を楽しんでみよう
というわけで、
涼しくなる方策としての「怪談」をキーワードに、
江戸の庶民の娯楽で、
かつ現代の私たちも楽しめるものを
いくつか選んでみました!
① 浮世絵 展覧会「浮世絵お化け屋敷」@太田記念美術館
実は、この展覧会情報を目にして、
このブログテーマを思いつきました。
JR原宿駅から徒歩5分というすてきな場所に、
太田記念美術館という浮世絵をコレクションしている美術館があります。
そちらがこの夏はなんと「お化け屋敷」をテーマにするとのこと。
妖怪や幽霊たちが大集合するそうです。
これは子どもから大人まで、
恐る恐る、興味津々で楽しめるのではないでしょうか?
浮世絵は、江戸の庶民が今で言えばワンコインで買えるような値段だったと言います。
楽しみで購入したり、包み紙にしたり、お土産にしたりしたそうです。
親がおばけや妖怪の絵を買って帰って、
子どもたちの反応をおもしろがったりしたのかな?などと
想像してしまいます。
歌川国芳「相馬の古内裏」(個人蔵)後期展示
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/obakeyashiki/
この展覧会は2024年8月3日(土)~9月29日(日)ですが、
現在開催中の「国芳の団扇絵 ―猫と歌舞伎とチャキチャキ娘」にも惹かれますね。
② 八月納涼歌舞伎@歌舞伎座
歌舞伎を見たことがありますか?
難しそう?高尚そう?
いえいえ、「芝居(歌舞伎)」は江戸庶民の娯楽の筆頭です。
現在でも高い席からリーズナブルな席まであり、
とっても気軽に見られるのですよ。
特に毎年8月の納涼歌舞伎は、その名の通り、
「暑いから歌舞伎でも見ていってね!」というノリです。
若手が多く出演し、いわゆる「怪談」やちょっとひやっとする話、
そこに笑い話やおもしろい演目をセットにしています。
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/878
8月は第一部~三部まであり、それぞれのチケットを取ることもできますし、
「一幕見」という、1幕だけ見るというとても気軽な見方もできますよ。
ちなみに今年は、第三部で小説家・京極夏彦脚本の新作歌舞伎がかかります。
京極夏彦の初歌舞伎作品(もちろん怪談)の初演を目撃したい方も、
一度歌舞伎を見てみたかった、という方も、
実はテレビで見たあの役者さんが気になる、という方も、
暑さを理由にぜひ足を運んでみてくださいね。
小学生のお子さんも入れますよ!
③ 落語@寄席
江戸時代から続く娯楽と言えば落語もはずせません。
落語の演目にも怪談噺(かいだんばなし)、いわゆる怖いお話はいくつもあります。
「四谷怪談」「牡丹灯籠(ぼたんどうろう)」「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」など、歌舞伎や演劇、
映像化もされている有名なお話は、皆さまもご存じかもしれませんね。
古典の怪談の多くは、ただ恐ろしいだけではなく、
当時の社会規範や情勢といった背景と、登場人物の言動が絡み合い、
やむなく悲しい展開や恐ろしい結末につながってしまった、
というようなストーリーです。
古典は、長い年月をかけて観客の心をとらえてきたものが
磨かれ残ってきたもの。
何かしら心に響くのではないかと思います。
ここで落語の怪談噺を聞きたい!と思われた方にちょっとだけ注意事項です。
ふつうの寄席での落語では、
演目は当日演者が、
客席の反応などを見ながら決めるそうです。
つまり、「今日は四谷怪談がかかる」などは事前にはわからないのです。
怪談が聞きたくて行ったのに、人情噺だった、なんてことも有り得ます。
ただ、なんにせよ落語はおもしろいですし、
夏場ならばやはり怪談がかかりやすいのでは?と思いますよ!
ブログの最後に、チケットの取り方など参照先をご紹介しておきます。
おわりに
「怪談」で涼むブログ、いかがでしたでしょうか。
怖い話を聞くと、リアルにぞっとして鳥肌が立ったりしますよね?
それには科学的根拠があるそうです。
怖い話を聞くと、不安や恐怖を感じ、そのストレスで交感神経が活発になる
↓
心拍数が上がり、その一方で、皮膚の表層部分の血管は収縮する
↓
実際に鳥肌が立ったり、血流が悪化し体が冷たくなったりする、のだそうです。
怖い話に限らず、緊張している時も同じような現象が起こるようですが、
不安感は哺乳類に備わった防衛的な反応でもあるので、
気楽に「ひんやり」を楽しんでくださいね!
少々ムリヤリに(?)酷暑の東京の楽しみ方をご提案してみました。
やはり結論は美術館、劇場など屋内に逃げること…になってしまいました。
暑さを理由に、初めての体験、
ちょっと深堀りしてみたかったことなど、
一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
さて、最後になりましたが少々当社の宣伝をさせていただきます。
日本翻訳センターでは、あらゆる分野の主に産業翻訳を取り扱っております。
学術論文、プレゼンテーション資料、企業のIR関連、
美術館や博物館の展示や映像字幕も得意です。
https://www.jtc.co.jp/tax_blog/result/
「公式の文章、AIによる翻訳だけでは不安」
「もっと読む人に伝わる言葉にしたい」
「多言語版がつくりたい」
「MTPE(機械翻訳チェック)をして欲しい」
という場面では、
ぜひ日本翻訳センターにご相談ください。
お読みいただきありがとうございました。
おわり
👻おまけ👻
展覧会に関する情報
アートスケープ https://artscape.jp/exhibitions/?area=tokyo
歌舞伎に関する情報
歌舞伎座 https://www.kabuki-za.co.jp/
歌舞伎へ行こう! 初めての方へ https://www.kabuki-bito.jp/lets-kabuki/
落語に関する情報
落語芸術協会 落語はじめの一歩 https://www.geikyo.com/beginner/go.html
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