日本のアニメとマンガ
皆さま、こんにちは。
営業企画部のMです。
今年7月から9月にかけて開催されたパリオリンピック、パラリンピックはご覧になられたでしょうか。
時差の関係で早朝や深夜放送の時間帯の競技も多く
リアルタイムにこだわると体には厳しい時期ではありましたが
心はとても潤った時期でした。
さて、今回の開催地だったフランスのパリですが、
パリ関連のニュースや情報を見ていく中で、
「フランスでは日本のアニメやマンガがとても人気」との声を聞きました。
個人的には、
日本国内でのアニメやマンガのファンの数の多さは認識しており
アメリカなどの英語圏での人気も高いのかなとは感じていたのですが、
フランス、ヨーロッパ圏での人気は想定外でとても嬉しく感じました。
今回はこの「日本のアニメとマンガ」を取り上げたいと思います。
日本のアニメとマンガ
1. フランスと日本のアニメ・マンガ
2. 日本のマンガと海賊版
3. マンガとAI翻訳
4. おわりに
1. フランスと日本のアニメ・マンガ
話題となっていたフランス、パリでの
日本のアニメ、マンガの人気はどのような様子なのでしょうか。
残念ながらフランス国内の様子を実際に見に行くことは叶わなかったので、
ネットから様子を確認してみました。
調べていく中で「Japan Expo Paris(ジャパンエキスポ・パリ)」を見つけました。
皆さまはこちらをご存知でしょうか。
私は恥ずかしながら今回初めて知りましたので、
こちらを良い機会に「Japan Expo Paris」がどのようなものかを調べてみました。
まず「Japan Expo」とは、
日本カルチャーの最大イベントとも言われている「日本文化の総合博覧会」です。
このJapan Expoがフランスのパリでも毎年7月に開催されており、
なんとこちら、今年2024年で第23回目なのだとか。
直近の2024年の来場者数は20万人越えているとのことで、
こんなに多くの方が日本に興味を持ってくださっているのかと嬉しくなります。
今回の「Japan Expo Paris」では、
日本文化としてよく想像される伝統的な「芸術」や「美術」、「食文化」等々のみではなく、
「アニメ」「マンガ」「ゲーム」「音楽」「ファッション」などの
ポップカルチャーでも大賑わいを見せていたとのこと。
以下のグラフは、海外での日本アニメの人気を表しているグラフです。
特にここ10年での、海外の日本アニメ市場の上昇率には目を見張るものがあります。
出典: アニメ産業レポート2023 サマリー(日本語版) | 日本動画協会 (aja.gr.jp)
海外でのアニメの人気、
フランスも例外ではなく人気だったということなのですね。
参考:
・Japan Expo Paris 2023「WABI SABI パビリオン」開催レポート
・販売新記録樹立!JAPAN EXPO Paris 2024速報
2. 日本のマンガと海賊版
順調と思われる日本のアニメやマンガですが、
大きな問題も抱えているようです。
それは「海賊版」の存在。
「海賊版」とは
法律上の知的財産権を侵害し権利者に無断で、権利を有しない者により販売、配信されるコンテンツのこと。
物品の移動を伴わず、映画や漫画などの内容をインターネットを通じて流す場合は「海賊版サイト」と呼ばれる。
出典:海賊版 – Wikipedia
この「海賊版」に対して様々な対策を行った結果、
日本国内の海賊版サイトは減少傾向になってきたものの、
海外での外国語の海賊版サイト撲滅はなかなか難しい様子。
サイト数で見ても、少なくとも日本語版の3倍以上はあり、
被害額も昨年1年間で試算額3818億円にものぼるとのこと。
多くの方が関わって心を込めて作った作品が「タダ読み」扱いをされてしまうとは。
正当に扱われ評価される必要があると強く感じます。
さて、今年2024年の6月、
知的財産戦略本部より「新たなクールジャパン戦略」が発表されました。
この中でアニメやマンガを含む「コンテンツ分野」の海外展開に関する目標は
2022年の段階で4.7兆円のところを、
2028年までに10兆円、2033年までには20兆円と
倍々、倍々に、大幅に増やしていくものでした。
ここに関連するものの中でも特に興味深いものとして
「AIを用いた漫画の大量翻訳と海外輸出の取り組み」がありました。
これは
「AI翻訳を使用して日本のマンガの輸出を5年間で3倍以上に増やそう」
という取り組みになります。
海外の海賊版サイトでは
現状、正規では日本語のみの作品でも、違法に翻訳された外国語版が掲載されてしまっている状態です。
そのため、その作品に興味のある日本語のわからない海外ユーザーは
自分のわかる言語で作品を楽しめる方へ、つまり海賊版サイトへ流れてしまうのです。
この「違法に翻訳された外国語版」を減らすために、
日本語から翻訳された正規の外国語版の作品を増やそうとする試みのようです。
参考:
・日本の漫画「タダ読み」被害が巨額に… 外国語の海賊版サイトや誘導アプリ対策が急務に | NHK | アニメ
・「新たなクールジャパン戦略 ~概要~」
・小学館やJIC、AI翻訳で漫画5万点輸出へ スタートアップに29億円出資 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
3. マンガとAI翻訳
違法に翻訳された外国語版対策としての
「AIを用いた漫画の大量翻訳と海外輸出の取り組み」。
正規の外国語版を増やしていくこと自体はとても喜ばしいことですが、
「AI翻訳を使用して」という点に関しては
様々な声が挙がっているのが現状です。
「AI翻訳の精度は上がってはいるものの、
マンガのような文芸的な作品のニュアンスや文化的背景、登場人物の特徴まできちんと反映できる品質では、
まだないのではないか」
「AI翻訳は、ストーリーが最重要とされるマンガや小説等、
ハイコンテクストな文章の翻訳には不向きであるため、
この分野は専門家による丁寧な翻訳が必須である」
「翻訳を急ぐあまり、質の低い翻訳版が流通してしまうことで正規版への信頼を損ない、
かえって多くの海賊版を許してしまうのではないか」
等々
なお特定非営利法人 日本翻訳者協会からは
「官民の「AIを用いた漫画の大量翻訳と海外輸出の取り組み」に対し、深刻な懸念を表明いたします」との意見書も提出されているとか。
参考:「AIを用いた漫画の大量翻訳と海外輸出の取り組み」に関する意見書 | JAT JP日本翻訳者協会
正規の外国語版を!違法な翻訳をされる前に!と焦り
量とスピードを重視しすぎてクオリティを下げてしまうことは避けたいですが、
海外ユーザーの方々へもっと日本のマンガを楽しんでもらいたい気持ちは大きく…。
さて、皆さまはこの点、どのようにお考えでしょうか。
4. おわりに
AI翻訳について、
マンガやアニメ、小説や絵本などの芸術的要素、クリエイティブ要素の強い分野の翻訳は
AI翻訳には向かないと言われています。
その一方で、定型文など決まったスタイルのあるものや決められた用語表現が多くある文章、
契約書や報告書、IR関連文書など、逆にAI翻訳に向いている分野もあります。
*詳しくは以下よりご確認くださいませ。
MTPE(機械翻訳チェック)のご依頼時の注意点とは? | 日本翻訳センター (jtc.co.jp)
AI翻訳が良くないのではなく適材適所、
向き不向きを見極めて上手に活用できるといいですね。
またこのAI翻訳、機械翻訳は
現状では
「最後に人の手を入れることが前提」です。
AI翻訳、機械翻訳を使用したら、
その後のチェック、MTPEも忘れずに!
「機械翻訳とMTPE(機械翻訳のチェック)はセット」で覚えていただけると嬉しいです。
なお、もちろん当社でもMTPE(機械翻訳のチェック)の対応は可能です。
もしどこか迷うことがございましたら、
お気軽に、まずはお声掛けくださいませ。
*なお現在「MTPE(機械翻訳のチェック)」のキャンペーン中です!
ぜひこちらもご検討ください。
お問い合わせ、お待ちしております!
お見積もり依頼フォーム | 日本翻訳センター (jtc.co.jp)
おわり
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