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    ~ローコンテクストとハイコンテクスト~
コミュニケーション 2020.11.27

【異文化を考える時に①】 
~ローコンテクストとハイコンテクスト~

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皆さまこんにちは、日本翻訳センターK.A.です。

このブログコーナーは、私たち(翻訳者の方々および社員)が
日頃から触れている翻訳やその他業務を通じて感じることを
海外とのビジネスや交流に関して、そのヒントにしていただければ、と思い発信をしていきます。
お気軽にお読みいただき、皆さまの何らかの参考になりましたら幸甚です。

さて、「多様性・ダイバーシティ」という言葉が市民権を得て
もうかなりの時間が経っています。

「異文化理解」は簡単なようで簡単ではありません。
理解するためには「当たり前を問いただして、
真っ新な状態で主義主張や考え方を見直し、受入れる体制を整える」
といったことが必要かもしれません。

いきなりかなり深いトピックですが、
数回に分けて、その切り口や見方の一例をご紹介していきたいと考えております。

今回は第一弾として「~ローコンテクスト(low-context)とハイコンテクスト(high-context)~」という視点でお話しいたします。

「~ローコンテクスト(low-context)とハイコンテクスト(high-context)~」

context」は一般に「文脈」や「脈略」と訳され、意訳では「前後関係」と訳す場合もあります。
異文化理解では、その国(地域)に住む人々がそこでの社会的基盤文化的基盤をはどの程度共有するか?
その度合いによってこのは「context」の高い低いが決まってきます。

一般に「busy」な都市と言われるニューヨークやロンドン、上海やシンガポール
といった様々な民族の出入りが多い場所では共有度合いが低くローコンテクストになります。

一方、独自の文化圏があり排他的な場所になると共有度合いが高く
ハイコンテクストになります。

日本は典型的なハイコンテクストの国であるために
「行間を読む」「あうんの呼吸」「空気を読む」という言葉が、当然のように使われます。

さらに詳しく言えば
「ローコンテクスト」文化圏では直接的な表現やロジック重視で、雄弁が重要、寡黙は損になります。
一方、「ハイコンテクスト」文化圏では内輪・以心伝心という伝え方や、沈黙を含めたは非言語メッセージの比率が高まります。

少し固い話が続いたので、このコンテクストの違いによるカルチャーショックの具体例をご紹介します。

日本(ハイコンテクスト文化)では、
例えば職場にゴミが落ちていている時、上司が部下に対して「ゴミが落ちているよ」という表現での指摘が多くあります。
これは言外に「ゴミを拾ってください」という意味が込められており、
部下(聞き手)もそれを理解しているので、素直に(!)ゴミを拾います。
つまり、考え方の基盤を共有しているために言葉の裏にある真の意味の理解が可能ということです。

文化に優劣はありませんので、
ローコンテクストかハイコンテクストで
どちらがより良い、優れているということはありません。

ただ文化的社会的基盤を共有していない相手とコミュニケーションを取る際には、
まずはローコンテクストでのアプローチが相互理解しやすく無難であり、
日本的なハイコンテクストでのアプローチでは、誤解が生じやすく意思疎通が難しくなります。

このような事を少し意識するだけでも、より良いコミュニケーションの第一歩になると思います。  

今回は第一回目として「~ローコンテクストとハイコンテクスト~」についてお話しましたがいかがでしたか。

次回は「異文化を考える時に」の第二弾として「ステレオタイプ」について取り上げます。
またお読みいただけると幸いです。

おわり

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