【異文化を考える時に⑤】
~相手の文化歴史を学び、共通点を見つける~
皆さまこんにちは、日本翻訳センターK.A.です。
このブログコーナーは、私たち(翻訳者の方々および社員)が、
日頃から触れている翻訳やその他業務を通じて感じることを
海外とのビジネスや交流に関して、そのヒントになっていただければ、と思い発信をしていきます。
お気軽にお読みいただき、皆さまの何らかの参考になりましたら幸甚です。
今回は「異文化を考える時に」シリーズの5回目、
取り上げるテーマは「相手の文化歴史を学び、共通点を見つける」です。
異文化を考える時に⑤
~相手の文化歴史を学び、共通点を見つける~
今回は、前回4回目の「返報性」で挙げた
「相手に興味を持ってもらいたいのであれば、自分が興味を示すこと」の
実践に向けた取り組みを紹介します。
赴任先の国を良く知ることがとても重要、
そのためにはその国の文化や歴史、
習慣や風俗が書かれた本を10冊は読むこと」
以前、ある会社の海外人事の部長さんよりこの言葉を伺い
強い感銘を受けました。
さすがにその国のことを書いた本を10冊も読むと
傾向や落しどころが良く分かってきます。
なお蛇足ながら、1-2冊だけ読んでその国の事を分かった気になるのは少々危険です。
本には思想や考え方が偏ったものも多くあり、
たまたま読んだ1-2冊が偏った思想や考え方のものだった場合、
それだけを読んで「こんな感じだ」と思うと大変なことになってしまいます。
その意味をこめて10冊です。
さすがに10冊ほど読めば、おおよその着地点は想定ができるようになると思います
人間は、「自分の事を知っている」もしくは「知ろうとしてくれている」相手に対しては、
好感を持ちやすい傾向があります。
だからこそ、取引相手の国のことを知ることは、
商売を上手く進めるためにも、長期間友好関係を結ぶためにも、非常に重要になります。
そのため、本気で相手と良い仕事をしたい場合には「その国の本を10冊は読む」ことをお勧めします。
勿論、本以外にもwebからのデータを拾うことやその国の友人を作ること、
これらが効果的であることは言うまでもありません。
そこで何よりも「共通点」を見つけること、
これがプラスの効果をもたらすことになります。
自分自身や自社、日本との共通点を見つけ、
それを伝えることで相手との距離感はかなり縮まります。
趣味、家族、学校、スポーツや映画といったエンターテインメントのこと、
これらの糸口から、共通点を見つけてから商談を始めることも、「急がば回れ」かもしれません。
ビジネスではよく、ランチもしくはディナーを一緒にすることがありますが、
これもこの応用で、
同じものを食べることによって共通点をつくり、
友好的な雰囲気を醸し出しながら、
ビジネスの話を進めるというステップになっています。
さらに、共通点の反対、相手との「相違点」も見つけ、それを受入れること。
これは1回目と3回目でご紹介した切り口でその背景を想定し、
それを理解し分かってくると「違和感が出てくるよりも、違いを受容していくこと」が
より易しくなっていきます。
お互いの相互理解には、共通点と相違点を明らかにしていくことが早道なので、
まずはそれぞれを見つけ、認めること(確認すること)が第一歩です。
是非とも異文化理解に向けて実践してみてください。
「異文化」という言葉に対して一言!
自分達の文化が基本(基軸)であり、それに対して異なる文化、という
若干上から目線のニュアンスがこの言葉には隠れています。
仮に文明には優劣があったとしても、文化に優劣はありません。
それこそモザイクのように多くの民族と国が入り組んでいる欧州で、
異文化と言っては争いごとが起こってしまいます。
では「異文化」を訳するとどんな言葉になるでしょうか?
「cross-culture」「multi-culture」がしっくりとくる表現と考えています。
「異」でなく「マルチ(多くの、複数の)」や「クロス(交差した、交雑の)」という考え方になります。
この考え方を大事にして、様々な国の方と平等かつ対等に渡り合う、
そんなビジネスを日本人は丁寧にしていく必要はあると感じています。
最後に
今回は筆者の個人的な意見での発信でしたが、
皆さまの異文化との接点ができた際の参考にしていただければ幸甚です。
おわり
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